額面(総支給額)から引かれるのは、税金2種類と社会保険料です。税金は所得税と住民税、社会保険料は健康保険・厚生年金・雇用保険の3つで、40歳から64歳の人はここに介護保険が加わります。これらを差し引いた残りが、口座に振り込まれる手取りです。
額面から引かれるもの一覧(2026年度時点)
| 項目 | 区分 | 計算の概要 | |---|---|---| | 健康保険料 | 社会保険 | 標準報酬月額 × 健康保険料率の半分。協会けんぽは都道府県別で、東京支部は令和8年度9.85% | | 介護保険料 | 社会保険 | 40歳〜64歳のみ。標準報酬月額 × 1.62%(令和8年度・全国一律)の半分 | | 厚生年金保険料 | 社会保険 | 標準報酬月額 × 18.300% の半分(本人9.150%) | | 雇用保険料 | 労働保険 | 賃金総額 × 労働者負担分。一般の事業は令和8年度5/1000 | | 所得税 | 税金 | 課税所得 × 累進税率(5〜45%)に復興特別所得税2.1%を加算。毎月源泉徴収 | | 住民税 | 税金 | 前年の課税所得 × 所得割10%に均等割を加算。翌年度に毎月天引き |
料率はいずれも2026年度(令和8年度)に確認した値です。健康保険料率は都道府県で異なり、料率は毎年改定されます。
所得税の計算のされ方
所得税は、給与収入から給与所得控除(令和8年分以後は最低74万円。給与収入220万円以下に適用)と基礎控除などの所得控除を引いた「課税所得」に、5%から45%までの累進税率を掛けて求めます(国税庁 No.2260、令和8年度改正あらまし)。求めた所得税額には、2037年(令和19年)分まで復興特別所得税2.1%が上乗せされます。会社が毎月の給与から概算で天引きし(源泉徴収)、年末調整で1年分を精算します。なお令和8年分については、11月までの毎月の源泉徴収は改正前の税額表のままで、12月の年末調整で改正後の控除により精算されます(令和8年度改正あらまし)。
住民税の計算のされ方
住民税は、前年の課税所得に対して課税されます(総務省)。中心となる所得割の標準税率は10%(市町村民税6%+道府県民税4%)で、これに定額の均等割(標準で年4,000円)と森林環境税1,000円が加わります。前年の所得を基に金額が決まるため、給与所得者は原則として翌年度分から毎月の給与で特別徴収されます。
社会保険料の計算のされ方
健康保険・厚生年金・介護保険は、給与を等級に区切った「標準報酬月額」に料率を掛けて計算し、会社と本人が半分ずつ負担します(労使折半)。厚生年金は18.300%(本人9.150%)、協会けんぽの健康保険は都道府県別の料率、介護保険は40歳から64歳の人に令和8年度1.62%が上乗せされます。雇用保険だけは標準報酬月額ではなく、毎月の賃金総額に料率を掛けて計算します。
給与明細のどこを見るか
給与明細は、おおまかに「支給」欄と「控除」欄に分かれます。支給欄の基本給や各種手当を合計した総支給額が額面です。控除欄には健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料(40歳以上は介護保険料も)と、所得税・住民税が並びます。総支給額から控除欄の合計を引いた「差引支給額」が手取りにあたります。社会保険料が給与に対してどのくらいか、税金がいくら引かれているかは、この控除欄で項目ごとに確認できます。
金額はいずれも概算の考え方です。実際の所得税額は源泉徴収票、住民税額は自治体からの通知書で確認してください。