年収が増えたとき、手取りはいくら増えるか
額面が1つ上の帯へ増えたとき、増えた額面のうち何割が手取りとして残るかを計算しました。 当サイトではこれを限界手取り率と呼びます。額面全体のうち引かれた割合(実効控除率)とは別の数字です。
計算結果
88.5% 〜 32.9%
44帯で計算した限界手取り率の幅です。上端は年収120万円の帯(1つ前の帯から増えた 200,000円のうち176,972円が手取りに残る)、 下端は年収2700万円の帯(1,000,000円のうち329,400円)。 値は31通りに分かれ、年収が上がるほど下がる一本調子にはなっていません (前の帯より上がった箇所が15か所あります)。
この表の前提(読む前に)
賞与なし・40歳未満(介護保険料なし)・扶養なし・単身・東京都(協会けんぽ)・給与収入のみ、 年収を12等分した月収を標準報酬月額とみなすモデルでの計算です。 帯の刻み方(早見表と同じ44帯)を変えると数字も変わります。 これは特定の人の昇給後の手取りを予測する表ではなく、制度がどの帯でどう効いているかを見る表です。
2つの率を重ねる
実効控除率は水準(いま額面の何割が引かれているか)、限界手取り率は変化(次の帯へ増えた分がどう扱われるか)を見ています。 同じ横軸に置くと、水準がなめらかに上がっていくのに対して、変化のほうは段になっているのが見えます。
残り方が向きを変える3つの点
厚生年金保険料が頭打ちになる点。 厚生年金の標準報酬月額は650,000円が最上位等級で、月の報酬が 635,000円以上になるとそれ以上は上がりません。年収に直すと 762万円あたりです。ここを超えると、額面が増えても厚生年金保険料は増えません。
健康保険料が頭打ちになる点。 健康保険の標準報酬月額は1,390,000円が最上位等級で、月の報酬 1,355,000円以上で止まります。年収に直すと1,626万円あたりです。
基礎控除が消えていく帯。 合計所得金額が2,350万円を超えると、基礎控除が段階的に下がり、2,500万円を超えると0円になります (国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」)。この帯では課税所得が額面の増え方より速く増えるので、残り方が落ちます。 限界手取り率が最も低い年収2700万円の帯は、この区間に入っています。
44帯の一覧
限界手取り率は、1つ前の帯からの差で計算しています(最初の帯は算出できません)。
| 額面年収 | 年間手取り | 所得税 | 住民税 | 社会保険料 | 実効控除率 | 限界手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 845,156 | 0 | 0 | 154,844 | 15.5% | 算出不可 |
| 120万円 | 1,022,128 | 0 | 5,000 | 172,872 | 14.8% | 88.5% |
| 150万円 | 1,264,752 | 0 | 13,200 | 222,048 | 15.7% | 80.9% |
| 180万円 | 1,496,580 | 0 | 39,000 | 264,420 | 16.9% | 77.3% |
| 200万円 | 1,645,024 | 0 | 55,500 | 299,476 | 17.7% | 74.2% |
| 250万円 | 2,041,840 | 14,000 | 91,100 | 353,060 | 18.3% | 79.4% |
| 300万円 | 2,399,972 | 26,600 | 115,700 | 457,728 | 20.0% | 71.6% |
| 350万円 | 2,787,260 | 40,800 | 143,600 | 528,340 | 20.4% | 77.5% |
| 400万円 | 3,168,248 | 57,200 | 175,600 | 598,952 | 20.8% | 76.2% |
| 450万円 | 3,547,936 | 74,000 | 208,500 | 669,564 | 21.2% | 75.9% |
| 500万円 | 3,942,152 | 91,600 | 243,100 | 723,148 | 21.2% | 78.8% |
| 550万円 | 4,285,484 | 114,000 | 272,700 | 827,816 | 22.1% | 68.7% |
| 600万円 | 4,662,000 | 149,300 | 307,300 | 881,400 | 22.3% | 75.3% |
| 650万円 | 5,038,216 | 184,800 | 342,000 | 934,984 | 22.5% | 75.2% |
| 700万円 | 5,308,748 | 276,100 | 375,500 | 1,039,652 | 24.2% | 54.1% |
| 750万円 | 5,634,664 | 357,000 | 415,100 | 1,093,236 | 24.9% | 65.2% |
| 800万円 | 5,947,636 | 434,400 | 453,000 | 1,164,964 | 25.7% | 62.6% |
| 850万円 | 6,296,492 | 522,000 | 495,900 | 1,185,608 | 25.9% | 69.8% |
| 900万円 | 6,615,700 | 628,800 | 543,200 | 1,212,300 | 26.5% | 63.8% |
| 950万円 | 6,944,808 | 725,600 | 590,600 | 1,238,992 | 26.9% | 65.8% |
| 1000万円 | 7,274,216 | 822,200 | 637,900 | 1,265,684 | 27.3% | 65.9% |
| 1100万円 | 7,920,136 | 1,017,400 | 731,300 | 1,331,164 | 28.0% | 64.6% |
| 1200万円 | 8,561,796 | 1,244,000 | 827,800 | 1,366,404 | 28.7% | 64.2% |
| 1300万円 | 9,179,168 | 1,462,200 | 920,700 | 1,437,932 | 29.4% | 61.7% |
| 1400万円 | 9,720,180 | 1,784,100 | 1,016,500 | 1,479,220 | 30.6% | 54.1% |
| 1500万円 | 10,239,304 | 2,095,100 | 1,108,800 | 1,556,796 | 31.7% | 51.9% |
| 1600万円 | 10,779,416 | 2,417,900 | 1,204,600 | 1,598,084 | 32.6% | 54.0% |
| 1700万円 | 11,319,128 | 2,741,000 | 1,300,500 | 1,639,372 | 33.4% | 54.0% |
| 1800万円 | 11,879,328 | 3,076,300 | 1,400,000 | 1,644,372 | 34.0% | 56.0% |
| 1900万円 | 12,439,628 | 3,411,500 | 1,499,500 | 1,649,372 | 34.5% | 56.0% |
| 2000万円 | 12,999,828 | 3,746,800 | 1,599,000 | 1,654,372 | 35.0% | 56.0% |
| 2100万円 | 13,560,128 | 4,082,000 | 1,698,500 | 1,659,372 | 35.4% | 56.0% |
| 2200万円 | 14,120,328 | 4,417,300 | 1,798,000 | 1,664,372 | 35.8% | 56.0% |
| 2300万円 | 14,626,328 | 4,806,800 | 1,897,500 | 1,669,372 | 36.4% | 50.6% |
| 2400万円 | 15,115,428 | 5,213,200 | 1,997,000 | 1,674,372 | 37.0% | 48.9% |
| 2500万円 | 15,604,628 | 5,619,500 | 2,096,500 | 1,679,372 | 37.6% | 48.9% |
| 2600万円 | 15,957,228 | 6,148,400 | 2,210,000 | 1,684,372 | 38.6% | 35.3% |
| 2700万円 | 16,286,628 | 6,685,500 | 2,338,500 | 1,689,372 | 39.7% | 32.9% |
| 2800万円 | 16,775,828 | 7,091,800 | 2,438,000 | 1,694,372 | 40.1% | 48.9% |
| 2900万円 | 17,264,928 | 7,498,200 | 2,537,500 | 1,699,372 | 40.5% | 48.9% |
| 3000万円 | 17,754,128 | 7,904,500 | 2,637,000 | 1,704,372 | 40.8% | 48.9% |
| 3500万円 | 20,199,828 | 9,936,300 | 3,134,500 | 1,729,372 | 42.3% | 48.9% |
| 4000万円 | 22,645,528 | 11,968,100 | 3,632,000 | 1,754,372 | 43.4% | 48.9% |
| 5000万円 | 27,218,128 | 16,350,500 | 4,627,000 | 1,804,372 | 45.6% | 45.7% |
算出式
- 各帯の額面年収を計算エンジンに入れ、所得税・住民税・社会保険料と年間手取りを出す
- 実効控除率 =(所得税 + 住民税 + 社会保険料)÷ 額面年収
- 限界手取り率 =(この帯の年間手取り − 1つ前の帯の年間手取り)÷(この帯の額面年収 − 1つ前の額面年収)
- 最初の帯は1つ前が無いので算出不可とし、0では埋めない
帯は早見表と同じ刻みです。刻み幅が違えば限界手取り率の値も変わります(率そのものが「どこからどこまでを1歩と数えたか」に依存する指標のため)。 エンジンが協会けんぽの保険料額表・国税庁の速算表と一致することは計算の検証結果で開示しています。
この指標が測っていないもの
- 帯の切り方に依存します。 限界手取り率は「1つ前の帯から今の帯まで」の平均的な残り方で、その区間の途中にある段差はならされています。 1,000円刻みで見ると手取りが減る点が存在することは、別の一覧に出しています。
- 昇給後の手取りの予測ではありません。 標準報酬月額は4月から6月の報酬の平均で決まり(定時決定)、改定のタイミングは昇給の時期とずれます。 住民税は前年の所得に対して翌年度に課税されるので、額面が増えた年と住民税が増える年も一致しません。
- 控除を1つも入れていません。 扶養控除・配偶者控除・生命保険料控除・住宅ローン控除などは反映していません。 これらがある人の実際の残り方は、この表より高くなります。
- 東京都(協会けんぽ)に固定しています。 健康保険料率は都道府県で違います。その差は都道府県別の一覧にまとめました。
- 年度が変われば数字が変わります。 料率・控除額は令和8年分(2026年)のものです。
作ってみて、載せなかった指標
ここの数字はページを作るたびに計算し直しています。データや前提が変われば、この説明も変わります。
却下1 実効控除率で年収帯を格付けする
実効控除率と額面年収のピアソン相関係数は0.9607(44帯)でした。1帯ずつ抜いて44通りで計算し直しても符号は変わらず、値は0.9587〜0.9754に収まります。 年収を並べ替えたものとほとんど同じ順番にしかならず、格付けの軸としては年収そのものの言い換えです。 変化のほうを見る限界手取り率に置き換えました。 なお実効控除率は完全な単調増加ではなく、前の帯より下がった箇所が2か所あります。
却下2 手取り率(年間手取り ÷ 額面年収)を別の指標として立てる
手取り率は 1 − 実効控除率 なので、2つのピアソン相関係数は-1.0000(44帯)でした。1帯ずつ抜いて44通りで計算し直しても符号は変わらず、値は-1.0000〜-1.0000に収まります。 完全に裏返しの同じ数字で、2つ並べても情報は増えません。手取り率は早見表の側に置いてあるので、この面では実効控除率だけを出します。
却下3 限界手取り率を1つの代表値に潰す
43帯の平均を取ると61.4%になりますが、各帯はそこから最大28.4%離れます。 代表値を1つ出すと、いちばん知りたい「帯によって違う」が消えます。平均は載せず、帯ごとの値をそのまま並べました。
編集部の見解
額面が増えるほど手取りの残り方が悪くなる、という一本調子ではありません
額面が1つ上の帯へ増えたとき、増えた分のうち手取りとして残る割合(当サイトでは限界手取り率と呼びます)は、年収2700万円の帯で32.9%と最も低くなりました。年収5000万円の帯は45.7%で、いちばん高い年収帯が最も低いわけではありません。
向きが変わる点は3つあります。厚生年金保険料は標準報酬月額が上限の650,000円に達すると増えなくなり、これに届くのが額面年収762万円あたりです。健康保険料も同じく上限1,390,000円で頭打ちになり、こちらは額面年収1,626万円あたりです。反対に、合計所得金額が2,350万円を超えると基礎控除が段階的に減って最後は0円になるため、その帯では残り方が落ちます。
根拠
- 当サイトの計算エンジンで、早見表と同じ44帯の額面年収について年間手取りを算出し、隣の帯との差を額面の差で割った値
- 標準報酬月額の等級表(協会けんぽ・日本年金機構の公表値)の最上位等級と、その下限額。料率データに転記して回帰テストで固定している
- 合計所得金額2,350万円超で基礎控除が62万円→48万円→32万円→16万円→0円と下がることは、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」からの転記(当サイトの控除データ)
実効控除率は税率ではありません
ここに出しているのは、額面のうち所得税・住民税・社会保険料として引かれた額の割合です。年収5000万円で45.6%でした。速算表に載っている税率とは別の数字で、社会保険料が入っている分だけ大きく、控除が効いている分だけ小さくなります。
額面の水準を測る指標としては、年収そのものとほとんど同じ動きをします(相関係数はこのページの「作ってみて、載せなかった指標」に出しています)。年収を並べ替える役には立たないので、当サイトでは順位づけには使わず、内訳を見るための数字として置いています。
根拠
- 各帯の実効控除率と、その帯の額面年収とのピアソン相関係数(同じ表から算出)
- 所得税・住民税・社会保険料の内訳は計算エンジンが返す値で、協会けんぽの保険料額表・国税庁の速算表と照合する回帰テストを通している
この枠の中は当サイトの評価です。上の一覧・算出式・計算例は、公表されている料率と算出式にもとづく事実の提示です。事実と見解の切り分け方は編集方針に書いています。 編集方針・計算根拠
データの配布
この一覧はCSVとJSONで配布しています。出典を示していただければ、記事・資料・アプリケーションで自由に使えます (CC BY 4.0)。
このデータの引用のしかた
- ライセンス
- CC BY 4.0 — 出典を示せば、記事・資料・書籍・アプリケーション・機械学習の学習データとして、商用でも自由に使えます。改変も再配布もできます。
- 対象年
- 令和8年分(2026年)
- 料率データの確認日
- 2026-07-20 この日に一次ソース(国税庁・協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・総務省・東京都主税局)を開いて転記した料率で計算しています。 料率が改定されたら差し替えて全ページを再計算するため、上の一覧は常にこの確認日時点の値です。
- このページの公開日
- 2026-08-08
- 機械可読な形
- CSV ・ JSON このページ自体にも schema.org の Dataset を埋めています。上の表はHTMLの表なので、そのまま読み取れます。
そのまま貼れる出典表記
出典: 手取りのものさし「年収が増えたとき、手取りはいくら増えるか(限界手取り率)」 https://tedori-monosashi.com/data/genkai-tedoriritsu/(CC BY 4.0) <p>出典: <a href="https://tedori-monosashi.com/data/genkai-tedoriritsu/">手取りのものさし「年収が増えたとき、手取りはいくら増えるか(限界手取り率)」</a>(<a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja" rel="license">CC BY 4.0</a>)</p> 引用するときのお願い
- 数字だけを抜き出す場合も、対象年(令和8年分(2026年))と前提(賞与なし・扶養なし・単身・東京都)を一緒に書いてください。 前提が変わると値が変わるためです。
- 値を改変して再配布する場合は、改変した旨を書いてください(CC BY 4.0 の求めるところです)。当サイトが出した値として改変後の数字を示すことはご遠慮ください。
- この一覧は概算です。個別の税務・保険に関する助言ではありません。引用先でも、正確な額は源泉徴収票・住民税決定通知書で確認する旨を添えてください。
計算の前提と出典
- 対象年: 令和8年分(2026年)。令和8年度税制改正後の基礎控除・給与所得控除で年間ベースの手取りを計算しています(月々の源泉徴収は令和8年11月まで改正前の税額表で、年末調整で精算されます)
- 所得税: 課税所得×速算表(国税庁)+復興特別所得税2.1%。課税所得1,000円未満・年税額100円未満は切捨て
- 住民税: 同じ所得が続いた場合の概算。所得割10%+均等割4,000円+森林環境税1,000円−調整控除2,500円(東京都・単身の場合)。住民税は前年の所得に対して翌年度に課税されます
- 住民税の非課税限度額は東京23区(1級地)・扶養なし単身の合計所得金額45万円で判定しています(東京都主税局)。この額以下なら所得割・均等割・森林環境税とも0円です。限度額は市区町村が条例で定め、級地区分と扶養人数で変わるため、23区以外や扶養がある場合はこの計算と線がずれます
- 社会保険: 協会けんぽ(東京支部・令和8年度)の標準報酬月額等級表で計算。健康保険9.85%・介護保険1.62%(40〜64歳)・子ども・子育て支援金0.23%・厚生年金18.3%の労使折半、雇用保険は労働者負担0.5%(一般の事業)
- 賞与なし(年収を12等分した月収で計算)・扶養なし・単身・給与収入のみの前提です。扶養控除・生命保険料控除などの各種控除は反映していません
- 帯は早見表と同じ44帯(年収100万円〜5000万円)。限界手取り率は隣の帯との差から算出しており、帯の刻み方に依存します。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2260(所得税の税率) ・ 国税庁 源泉所得税の改正のあらまし(令和8年度税制改正) ・ 協会けんぽ 保険料額表(東京支部・令和8年3月分〜) ・ 日本年金機構(厚生年金保険の保険料) ・ 厚生労働省 令和8年度 雇用保険料率 ・ 総務省(個人住民税) ・ 東京都主税局 個人住民税(非課税限度額)
計算結果は概算です。正確な金額は源泉徴収票・住民税決定通知書でご確認ください。当サイトは個別の税務・保険に関する助言は行いません。